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「暮らしの保健室」を作り、住民相談に応える秋山正子さん(2)

 半分が医療相談で、うち3割ぐらいが、がんの相談です。医師の説明でわからないことがあった、検査データをもらったけれどどう判断してよいかわからない、出された薬を飲んでよいのか――とか、病院でちょっと聞けば済むはずのケースもたくさんあります。


 痛み止めを出されたことで、「自分はすごく悪い状態ではないか」と必要以上に心配していたがん患者さんのケースもありました。薬の説明書はもらっているのだけれど、自分の状況に合わせて考えられない。「薬を飲みながら活動的に暮らした方が良い」という話をしたのですが、アドバイスするうえでは、その人がどう考えて生きてきたのかを会話を通じて知ることも大切です。


 食欲がない、食事の工夫ができないかとか。このところ体調が優れないが病院に行った方がよいのかとか。遠方の子どもが体調不良だとか。暮らしそのものや家族にかかわる相談などいろいろです。



 ――不安の原因はどこにあるのでしょうか。


 患者さんは病院で診察を受けるのに1時間以上待っていて、同じ立場の人がいる中でそれ以上時間をとって説明を求めるのは難しいと思っています。現実に、丁寧に患者に説明するため夜遅くまでかかっている外来もあります。


 今の医療現場のなかで医師がすべての不安に答えるのは難しく、チームが補完しながら、患者を支えることが必要でしょう。相談支援を受けるにはどこに行けばいいのか、せめて案内があるといいのですが、残念ながらそれもない。結局患者さんは右往左往しながら、言い足りないことを抱えているのが実情です。


 医療の場で、医師に「これがベスト」と答えを出されると、患者は他に選びようがないのが現実です。治療医は治療に重きを置かれるので、緩和は二の次、三の次にされがちです。


 緩和医療は、あきらめるのではなく、生活の質を上げるためのものです。早期に緩和ケアに入った方が長生きしたというデータもあります。不安を取り除くことで暮らしやすくなる。仕事は続けた方がよいかどうかと他人に相談できることで緩和されるものもある。いわば「社会的な痛み」を取り除くことも合わせて緩和医療なんです。安心して暮らせることが一番で、そのためには気軽に相談できて、暮らしていける自信を取り戻せる事だと思います。


秋山正子(あきやま まさこ)
 1950年、秋田県生まれ。73年、聖路加看護大卒。看護教育に従事した後、92年から東京・新宿で訪問看護に取り組む。ケアーズ白十字訪問看護ステーション所長。


(2013年5月31日 読売新聞)


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【 2014/03/27 】 訪問看護コラム | TB(0) | CM(0)
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