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なぜ、“正常値”の老父は真夜中に何度も「血圧を測ってくれ」と乞うたのか

■深夜の血圧測定希望には意外な理由があった


 父は突然からだの自由が利かなくなり寝たきりになりましたが、支えがあれば立つことはできました。それなら病院への通院はできるだろうとレンタルで車椅子も借りました。


 寝たきりになった以後、一度車椅子で通院したことがあります。父は排尿障害があり、おしっこがしたくなった時は起きて尿道にカテーテルを差し込む自己導尿という方式で排尿をしていました。


 しかし、それをすることも辛くなり、かかりつけの泌尿器科の医師に頼み込んで、バルーンをつけてもらうことにしたのです。バルーンは手術後の自由が利かない患者がつけることが多い器具で、尿道に管を差し込みビニールのバッグに自動的に尿が堪る仕組みになっています。


 そのバルーンをつけてもらうために通院したわけですが、ベッドから車椅子、車椅子から自動車、自動車から車椅子に乗って診察室へ行き、帰ってくるのが思いの外大変で、父も私も疲労困憊しました。


 バルーンをつけたことで排尿の心配はなくなりましたが、その一方で「通院は二度としたくない」ということになったのです。ということは、医療の専門家に診てもらえないということです。医療の専門家に診てもらえない不安を抱えつつ、通院は無理だという矛盾した状態になったわけです。


 ではどうしたらいいか。


 父の容態が悪化しているのは事実ですが、痛いところもなければ苦しさも感じていない。具体的にどこが悪いということがなければ入院して治療することはできません。


 近所のかかりつけの医師にしても頼めば往診をしてくれますが、その病院は常に患者がいっぱいで、具体的な症状悪化が見られなければ往診を頼むのも気が引けます。療養型の病院に入院することも考えましたが、そこまでの事態には至っていないという思いもあり、在宅で介護をすることにしたわけです。


 となると医療の専門家との接点はなくなり、それが父の不安につながり、「深夜の血圧測定」を求める原因ともなったのかもしれません。


 最終的に、主任ケアマネージャーに相談したところ、訪問看護師さんを呼ぼうということになりました。


 看護師は医師の補助をする役割ですが、医療の専門家であることは事実。看護師さんに診てもらうことは父の不安の軽減につなながるという思いに至ったからです。


(プレジデント 6月7日)


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【 2014/07/24 】 訪問看護コラム | TB(0) | CM(0)
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